ちょっと休憩

 『炎の舞』は終了し、いったん休憩することにしました。なんとなく思いたって書き始め、さまざまの要素を追加しながらできてくるんですが、最初からそんなにはっきりとした方向性があるわけではありません。

 文観は実在の人物です。これにたいして浄念は架空の人物です。文観の実在性は、私の中ではかなりはっきりしていて、もう何十年も前から私の心に話しかけてきます。顔つきや声の調子まで思い浮かべることができます。ほとんど体臭を感じられるほどに身近な存在です。

 これにたいして浄念は、小説のはじまりにはまったくの空想でした。それがだんだん形をとってきて、やがてはっきりと姿形をもって話しかけてくるようになりました。書き出しの部分ではまだイメージがはっきりせず、あいまいなままで書いているところもあります。「炎の舞」3あたりから実在性がはっきりしてきて、そうなると私の思いと違うことをして生きるようになります。

 途中以後は、すべて搭乗人物のしたいとおりにふるまってくれるようになりました。そうなると私の役割は、ただ登場人物たちがすることを書き留めるだけになります。それはそれで面白い作業です。

 ともあれ、浄念は西蔵へ行ってしまいました。このあとどうなるかは、しばらく時間をおいたあとで、続編を掲載しますので、お楽しみに。