事故(2)

 3日に身体が故障して、それからずっとくすぶっていた。数日は寝込んでしまい、それからゆるゆると起き出した。外出もできないし、何もすることがないので、歌を歌っていた。朝から晩まで歌を歌う。それに飽きると、むかし書いた論文を再出版するので校正刷りを見直す。それに飽きるとまた歌を歌う。それに飽きると論文の校正をする。そうして朝から晩まですごす。外に出るのは郵便物を取りに行くときくらいだ。それ以上遠くへ出かけると、脚が歩くのをいやがる。

 こうしているうちに、右脚の調子が悪くなってきた。歩くのにすこし不自由がある。今週に入ったころは右脚に不安があり、膏薬を貼り始めた。それまでも幾分かの痛さはあったんだけれど、場所がはっきりしなかった。今週に入ってからは右脚のつけ根の部分に痛みが集中してきた。もっとも、集中といっても、はっきりと境界があるわけでもない。ただ右脚のつけ根の部分が、他とは違って、「病んで」いる感じだ。痛みはいつもあるわけではない。むしろ、ある特定の部位にしたときだけはっきりとあって、そうでないときにはあまり痛まない。

 ともあれ今日は膏薬治療の4日目だ。さて効いているんだろうか。まあ治療しないよりマシかなという感じでしかない。もうちょっと経過を観察する。