2019-01-01から1年間の記事一覧

炎の舞(3)

第二部 修法 1. 「浄念は文観という僧を知っていますか?」 と永福門院さまに尋ねられて、わたくしは、 「はい、よく存じております、わたくしはむかし文観さまの従者をしておりました」 とお答えいたしました。浄住寺の客間は日当たりのよい場所に作って…

炎の舞(2)

3. 私は十八の年に海に出ました。日本の年号で申しますと永仁三年(1295年)でございますな。蒙古の襲来の後、海の上もすこしおだやかになって、堺の沖に来る唐船が船乗りを募集しておりましたので、それに乗って、はるか南の海に出かけました。やがて、シ…

炎の舞(1)

2015年7月~8月4日に書いた記事です。古くなっていますが、それなりに魅力はあるでしょう。この続きが「影の炎」で、このシリーズが終了後に掲載できると思います。 第一部 荼吉尼法 1. あれは元亨三年(1323年)の春のことでございました。桜が咲き始…

ヘルペス・ゾスター(3)

病弱(?)な私には主治医が二人いる。一人は大学の脳外科の医師で、3ヶ月に一度くらいしか会わない。もうひとりは近所の巡回医で、大学の医師の紹介だ。今日は巡回医の方の診察日だった。主治医にはいつ会うんだろうねえ。まあ、涼しくなってからのことだ…

香港情勢

香港では毎日のようにデモがおこなわれ、取り締まりはしだいに厳しくなってきている。香港の法律をよく知らないが、外国(日本を含む)が介入することはできないみたいだ。まあ、そうでしょうね。このままで行くと、やがて大爆発になって、ものすごい数の人…

ヘルペス・ゾスター(2)

「ヘルペス・ゾスター」なる皮膚病にかかったということは報告した。その記事が先週の水曜日で、今日がちょうど一週間目だ。左胸と左背に湿疹ができて、今日もまだ活発だ。まあ、そうは言っても、全盛期よりはマシになってきている。症状を最高10点とすると…

ヘルペス・ゾスター

今日はメロンが話題になる。2個目のメロンの順番が来て、半分を夕食後にいただいた。おいしいねえ。残りは明日ね。 ヘルペス・ゾスターという皮膚病にかかった。というよりは、ずっと昔に感染していて、今ごろになって顔を出したわけだ。私の私的な記憶では…

患者はそんなに暇ではない(2)

今日はメロンは、存在はしたが、話題にならなかった。メロンは2つあって、ひとつは昨日食べたが、もうひとつはまだ置いてあるということだ。なぜ置いてあるかというと、手を出すには忙しすぎるからだ。なぜ忙しいかというと、今日は某大病院に検査に行く日…

患者はそんなに暇ではない

昨日はメロンを食べて、それが主な記事になった。というか、それしかできごとはなくて、あとは「どうでもいい」ことがらばかりだった。今日もあまり変らないが、あえて探すなら、午前中に保健師さんが来てリハビリのお手伝いをしてくださったのにちょっと乗…

メロン記念日

メロンは北海道の夏の風物詩で、いまごろあちらに行くとかならず手に入れる。今年も函館に行ったので、いつもの店でいつもの「富良野メロン」を手に入れた。(場所を知りたい? 函館の駅前で屋台の中じゃない店)。特大サイズで2千円だ。2つは京都の2人の…

如来蔵(2)

ひさしぶりに「郵便振替」を送ってきた。この前はいつだろう。いくら最近でも一昨年(2017年)のいつかだな。2018年になるとすぐに入院してしまったので、それ以後ではありえない。つまり、2018年と2019年の上半期は社会的活動は停止していたわけだ。 社会的…

如来蔵

古文を紹介するときに、文章をそのまま書いておいて、適宜手を入れて現代語訳するという方法がある。たとえば「さざれいしの いわをとなりて」などという文を「小石が岩になって」と逐語訳しておいて、かつ「さざれいし」だの「いわを」だのという言葉に註釈…

中間語の力

『ターラー菩薩成就法』の追加翻訳は遅々として進んでいない。理由は、原文が長すぎることだ。典礼用の文章なのでそんなに高度な内容ではないのだけれど、とにかく神秘めかしてあって、そう簡単に翻訳ができない。ええと、どう言えばいいのかな、「君が代」…

ターラー成就法(4)

どうして4かということなのだが、同じタイトルでも、いままでのと出典が違っている。"TARA WHO PROTECTS FROM THE EIGHT FEARS" という英語本だ。いままでの出典はガルチェン協会が出版している『ターラー菩薩成就法』のチベット語版だ。今回読んでいるのは…

藏密氣功

「ターラー成就法」の註釈はやめにする。読み返してみると、わざわざ書くことがない気がする。また質問があればしてください。 そう思ったので、『藏密氣功』という中国語の本の和訳の仕上げをすることにした。著者はガルチェン・リンポチェだが、翻訳のもと…

ターラー成就法註釈

「ターラー成就法」に話を戻す。単に解釈ではなくて、私の個人的な註釈を混ぜ込む。だから、これを読んで実践しただけでは悟りを得ることはないでしょう。でもまあ、ないよりはマシかな。 自身は聖母で白き胸中の|光は十方照らす護輪なり| BADZRA RAKSHA R…

観音成就法(2)

昨日の続き。このあとに経典を閉じるための経文が続くが、それは全経文に共通なのでいまは省略します。 【大楽をすみやかに実現するマニ回向の願文】 NAMO GURU DEVA DĀKINĪYE 三世の善逝諸仏の法身よ|六道有情を慈眼で見そなわす|虚空のごとくにあまねき…

観音成就法

「ターラー成就法」の引用はいちおう終わった。せっかくターラー成就法を引用したので、ついでに「観音成就法」も、と思っているのだが、評判はどうなんだろうね。ターラー成就法は先日やったばかりだから、またやってみようと思う人がいるかもしれないのだ…

ターラー成就法(3)

今日は最終回だ。主要なマントラは昨日終わったので、今日は全般的な後始末だ。 【七つのターラー菩薩讃】 聖母(マ)、無生法界住み処とし|仏母(ユム)、尊き天母よ救い主|そは(テ)、一切有情に楽たまい|われを(ダク)、あまたの苦より守られよ| 自身(ラン)…

ターラー成就法(2)

勢いに乗って「ターラー成就法」の後半を紹介する。前半は長いマントラ OM TĀRE TUTTĀRE TŪRE MAMA ĀYUJNĀNA PUNYE PUSTIM KŪRŪ SVĀHĀ| で終り、短い偈文でいったん休憩になる。しばらくして(その日かもしれないし、別の日かもしれない)再開する。今日すべ…

ターラー成就法

「ターラー成就法」の前半部を紹介する。ほんとうはこの前にすべての経文に共通の導入部がある。その部分は、この経文に独特のものでなくて、チベット語の経文ならどれにでもくっついている一般的な文章だ。それはまた機会があれば紹介することにして、今日…

病院のアルバイトがひとつだけ生き残っている。精神科でなくて産科で、しかも大阪の南部だ。できればやめたいのだけれど、いろんな理由があってやめられない。そこから手紙が来た。なんだか資格更新をする必要があって、医師免許証の証明書がほしいという。…

進展

白ターラー菩薩の瞑想は2日目に入ったが、そんなに進んだわけではない。まあこんなもので、ダラダラと続いていく。そうしてある日いきなり「進展」が起こる。「進展」の中身はわからない。わかったら「進展」とは言えないものね。とにかくコツコツと続けて…

白ターラー菩薩の瞑想

今日から昼間の空いている時間にガルチェン・リンポチェが教えられた瞑想法をていねいにやってみることにした。何種類も教えていただいているのだけれど、いままでの経過からして「白ターラー如来の成就法」が狙い目だとみた。だからしばらくそれで行く。い…

正しい業を積む

昨日はまだセッションのうちだったが、今日は完全に自由になった。もっとも、朝から昼すぎまでずっと紙に書いたメモをパソコンに入れて日記の記事を書いていた。午後2時に終わって、すべてをアップロードして、ほっとしてひと寝入りした。 仏教であるから、…

7月4日(木)

ガルチェン・リンポチェご一行をお見送りする。リンポチェたちはヴェトナムのハノイに行かれる。飛行機は朝早くだ。これとは別にドルズィン・リンポチェはシンガポールに帰られる。飛行機は午後遅くだ。というわけで、一同ででかけてガルチェン・リンポチェ…

7月3日(水)

リトリートはともあれ無事に終わった。予定は細かく立てられていたみたいだが、現場では次々と予定外のことが起こった。いちいちそれを数えていると、他の仕事ができなくなるくらいだ。しかしまあそれぞれのできごとにていねいに対応して、4日間は終わった…

7月2日

毎日07:30から09:00までご本堂(禅堂の隣にある仏さまがおられる部屋)で参加者がご挨拶なさるのの面倒を見させていただく。ご本尊は大きな釈迦牟尼仏で、右(信者から見ると左)に達磨大師、左(信者から見ると右)に弥勒仏を従えておられる。われわれの…

7月1日

07:00起床。09:00にドルズィン・リンポチェの「聖如意輪ターラー菩薩の長寿修法 マンダラ不死の精髄」という法話がはじまった。昨日までのテキストと違って、たいへん「手慣れた」テキストだ。前半は「自己生起」で行者自身がターラー菩薩に変身し、後半は…

6月30日(日)

今日は「ミラレーパの道歌」がテキストだ。通訳の永沢氏は、私は初対面だが、妻は面識があるみたいだ。昨日お願いしたら、なんとかしていただけることになった。私はというと、すこしも不安にならないので、大丈夫だと信じていた。 初めてお会いして様子を窺…